「OTC医薬品」は同じ名前の薬でも同じ成分とは限らない
OTC医薬品は誰でも薬局やドラッグストアで買うことができます。まさに「セルフ」メディケーションですが、言い換えれば「自己責任」ということです。つまり、きちんと症状に合った薬にたどりつくためには、自分で知識や情報を入手するか、または薬剤師に相談するか、またはその両方ということになります。
症状に合ったOTC医薬品を選ぶために、覚えておくべき知識があります。「同じ名前の薬だからといって、同じ成分とは限らない」ということです。少し知識がある人なら、「スイッチOTC医薬品」=「医療用医薬品からOTC医薬品へと変わった薬」=「医療用と同じ成分」と考えてしまいがちです。しかし、これも誤りな場合があります。
たとえば、医療用の「ロキソニン」(ロキソプロフェン)は、解熱鎮痛薬としておなじみの薬でしょう。ロキソニンはスイッチOTC医薬品なのでドラッグストアでも売られていますが、OTCのロキソニンには、「ロキソニンS」「ロキソニンSプラス」「ロキソニンSプレミアム」といった種類があります。
主成分であるロキソプロフェンに、胃粘膜保護作用成分の「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」を加えたのがロキソニンSプラス、さらに鎮静成分の「アリルイソプロピルアセチル尿素」を配合したものがロキソニンSプレミアムです。つまり、同じロキソニンでも医療用は単剤ですが、OTCではいくつかの成分を加えた合剤の場合もあるのです。