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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

膵臓がんを早期に発見「尾道方式」と研究が進む最新検査

公開日: 更新日:

 順調なようで何よりです。女優の八千草薫さん(88)が今月26日、千葉県のイベントに出席。2月に膵臓がんを公表してから、初めてファンの前に姿を見せたと報じられました。その日は、30度近い夏日だったこともあり、「少し涼しくなるように祈ってましたが、ダメでした」と笑いを誘ったといいます。

 昨年1月に手術を受けてから、今年に入って肝臓への転移が発覚。抗がん剤治療を続けていたそうですが、それが終了。仕事復帰を目指して英気を養っているといいます。

 膵臓がんといえば、全体の5年生存率は8.5%という難治がん。それを乗り越えて元気でいられるのは、いくつか秘密がありそうです。

 ひとつは、早期で手術が可能だったこと。ステージ1の5年生存率は、4割にアップします。

 皆さん気になるのは、どうやって早期で発見するか。そこについてはこの連載でも紹介しましたが、尾道方式が役立ちます。

 尾道では、クリニックで膵臓がんのリスク因子を2つ以上抱えている人が見つかると、エコー検査を行って、膵臓の異常が見つかったら、JA尾道総合病院に紹介する仕組みを構築。そこで、より精密な検査を行うことで5年生存率は全国平均の3倍近くに上昇、ステージ0で見つかることも珍しくなくなっています。

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