肥満は本当に悪いのか? 健康に対して弊害になるのか?
これらはホルモン分泌の変化の一例ですが、まるでドミノ倒しのように、肥満というコマが倒れることで、健康を害する複数の現象が起こるのです。
一方で、私が特に問題視しているのは、「肥満に至る過程」。当院はビジネス街に近いということから、サラリーマンの患者さんが多く訪れます。彼らによくありがちな肥満、さらには糖尿病に至ったパターンは次のようなものです。
大学時代は標準体形かむしろ痩せ形。若さゆえ、コンビニ食やファストフード、インスタント食品が中心の食生活でも、体を壊したり、不調を感じたりすることはない。好きな時に好きなように食べ、生活リズムも不規則で、夜型生活の人もいます。
卒業し、就職して生活がガラリと変わります。慣れない仕事に追われ、家は寝るためだけに帰り、週末は平日にできない洗濯や掃除をし、日頃の睡眠不足を解消するために寝て過ごす。大学時代は体育会やスポーツサークルに属して運動を日常的にやっていた人も、社会人になってからはその時間がなかなか取れず、運動習慣がなくなってしまう。