高血圧の薬を飲んでいるなら…コロナ禍の熱中症に用心する
「特に腎疾患や透析をしている人は、水をたくさん取りすぎると尿で出し切れず、身体に水がたまって心不全や脳卒中になったりするので、水分、塩分制限をしていることが普通です。これも熱中症予防とは逆の行為なので、当然熱中症のリスクは高まります」
また、糖尿病の人は血糖値が上がることにより、糖を尿として出すので、多尿になり、脱水になりやすい。さらに末梢神経の障害が出ることで、暑さを感じにくくなったり、自律神経系に影響が出て、血管拡張もしにくくなるなど、二重三重に熱中症のリスクが高まるという。
「あと注意が必要なのは、精神疾患の薬である向精神薬ですね。この種の薬は自律神経系に影響を与えて汗をかきにくくなる副作用があります。これは体温を下げにくくなることとつながるので、熱中症には高リスクとなりますね」
とはいえ、病気にかかれば薬を飲まないわけにはいかない。これらの病気や薬と縁のある人が、熱中症にかからないためには、どうすればいいのだろうか。
「基本的な対策としては、涼しいところに身を置いておくのが一番です。長時間外を歩かない。どうしても長時間移動するなら、タクシーを使ったり、途中で喫茶店に入ることをお勧めします。部屋のなかでは、なるべくエアコンをつける。電気代が気になるという人も多いでしょうが、エアコンは最初に部屋を冷やす時に電力を使い、あとは継続運転になるので、つけたり消したりするよりは、ずっとつけておいたほうが電力を食わない、という話もあります」