高血圧の薬を飲んでいるなら…コロナ禍の熱中症に用心する
身体を冷やすためには血液の循環が必要だが、それが可能になるのは、心臓の機能が正しく働いていることが前提になる。心臓が病気になると血液を循環させるポンプの機能が衰えるため、熱中症になりやすいというわけ。心不全や心筋梗塞の既往症のある人は、当然リスクが高まる。
「高血圧の薬を服用している人が熱中症のリスクが高まるのも、これと同じ理由です。血圧を下げる薬というのは、具体的には心臓の収縮力を弱めることでその効果を出している。これは心臓の機能そのものを弱めているということですから、血液の循環を悪くしている。このことは結果的に、熱中症のリスクをも高めているというわけです」
心疾患や腎疾患の患者に処方されることが多いのが、利尿薬だ。これは尿を出すことで、水分やナトリウムを腎臓から排泄し、それによって身体を流れる血液の量も減らして血圧を下げようとしているものだが、ナトリウムや水を強制的に身体の外に出すことは、熱中症のリスクを高める。熱中症の治療には水を塩分を取ることが第一なのだが、これの逆の行為をしていることになるからだ。