新型コロナに対応する医療者の「燃え尽き症候群」が心配
隔離された部屋で、まして重篤な方への対応は、一般的な病気の患者の何倍もの労力がかかります。感染防御のため、家族との面談も極力少なくし、もし不幸にして亡くなった場合でも、ご遺体と家族との接触も出来るだけ避けなければなりません。
働く自分だけではなく、家族にうつさないことも考え、身体的にも精神的にもとても大変な状況なのです。
私はその場にいないのではっきりとは申し上げられないのですが、このような現場ですから、がん患者に対して「懇切丁寧に時間をかけて十分に納得できるように説明する」といった普段のような対応は、難しいのではないかと思います。その現場の看護師たちも、きっとそのことでも悩んでおられるのではないかと推察します。
■セミナーに参加して病院を辞める看護師も
1975年ごろ、「燃え尽き症候群」という言葉がはやったことがありました。この言葉を聞くのは、あの時以来のように思います。
あの頃、医師は患者に「がん」の病名は言わない、がんを隠すのが当たり前でした。