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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

減量手術を受ければ食事制限と運動なしでも痩せられる?

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 減量手術にはいくつかの手法があるものの、日本で保険適用になっているのはスリーブ状胃切除だけ。胃を切除してバナナのように細くし、食事摂取を制限します。食欲を刺激するホルモンが減少し、糖尿病の改善も期待できるといわれています。一般的には腹腔鏡で行われます。

 繰り返しになりますが、減量手術の目的は、命に関わる重篤な病気のリスクを下げること。楽して痩せるためのものではありません。手術前には、肥満症治療コーディネーターや栄養士、理学療法士などのサポートによる食事療法、運動療法をしっかり行いますし、手術後も食事療法、運動療法は欠かせません。

 甘い気持ちで減量手術を受ければ、見かけの体重が変わるだけで体質は改善していないので、術後数年でまた肥満に戻ってしまいます。特に、保険適用のスリープ状胃切除は肥満が再発しやすい点が指摘されています。日本人はそもそも欧米人と比較し、太りにくい体質。速やかな肥満解消が求められる一部の人を除き、私個人的には減量手術はベターな選択ではないと考えています。

 一方、最近とみに注目が高まっているのが、糖尿病の治療薬であるGLP―1受容体作動薬です。GLP―1は体内にあるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。インスリンの働きが悪くなっている糖尿病患者が薬で体外からGLP―1を補うことで、膵臓からインスリンが分泌されて、血糖値が下がるのです。

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