新型コロナが流行する前にインフルエンザは大幅減少していた
2020年2月27日、当時の安倍首相が唐突に「3月2日から全国の小中高と特別支援学校を臨時休校する」と宣言して、ようやく多くの国民がただならぬ事態であることを意識するようになった。
その後の展開は速かった。2020年3月13日には、新型コロナ対策特別措置法が成立した。小中高だけでなく多くの大学でも卒業式が取り止めになった。そして4月7日に東京、神奈川、大阪など7都府県に緊急事態宣言が出され、16日には全国が対象となった。
だが国民にしてみれば、感染症対策を始めようにもやりようがなかった。マスクも消毒用アルコールも手に入らないのだ。それに新型コロナといっても、所詮は「ただの風邪」と言う人も多くいて、個人レベルの感染症対策はなかなか進まなかったのである。
そんな状況下で、インフルエンザだけが、なぜか急に減った。まるで新型コロナの流行を先読みしていたかのように、2020年の年明けから減り続け、3月13日の時点では事実上「感染者ゼロ」にまで下がっていたのである。
なぜそうなったのか、理由は分からない。いずれ解明される日が来るかもしれないが、ともかくも「コロナ対策以前からインフルが減り始めていた」という事実は、忘れるべきではないだろう。