「脱マスク」で大事なのは屋外か屋内かではなく感染経路を考えた予防策
新型コロナ対策のマスクの屋外着用について医師や政府から見直しの声が相次いでいる。
「屋外では着用の見直しをしてもいいのではないか」(東京都医師会会長)
「(気温や湿度が高い時)屋外での人との距離が十分ある場合にはマスクを外すことを推奨しています」(官房長官)
「屋外で、距離もとって、会話もないところでは、当然マスクをする必要はない」(厚労省に助言する組織座長)
新型コロナが流行して2年余り。この間、屋外でのマスク着用の合理性についてダンマリを決め込んでいた政府関係者や専門家が急に屋外での脱マスクを言い始めた。なぜか? 公衆衛生に詳しい、岩室紳也医師が言う。
「飛沫やエアロゾルの屋外での拡散を調べた新しい研究などは聞かないし、そもそも屋外で条件を同じにして研究するのは困難です。いま屋外のマスク着用を否定する科学的な根拠が増えたわけではありません。ただ、欧州や米国の一部の州や韓国などでは屋外でのマスク着用をやめた。米フロリダ州では公共交通機関でのマスクもやめた。これに合わせただけでしょう」