著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【豚肉】疲労回復に不可欠なビタミンB1や不飽和脂肪酸が豊富

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 豚肉はイノシシ科の野生動物を家畜化した豚を食用に加工したものです。古来、野生のイノシシを食用対象とする文化が中国、エジプト、ギリシャなどで始まっており、日本でも縄文・弥生時代からイノシシの肉が食用とされていたそうです。沖縄地方や鹿児島、長崎では豚肉を食用とする文化が比較的早くに広がり、明治時代中盤には日本全国で豚肉の普及が始まっていきました。

 日本の豚肉は本種を掛け合わせて改良されているものがとても多いのが特徴。黒豚、阿波ポーク、きなこ豚といった銘柄やブランド名がついていますよね。鶏肉や牛肉に関しては国産牛や地鶏と呼ぶために食肉協会や国が定める基準があるのに対し、豚肉には定義がないのです。各地域の協会によって、同じ品種でも飼料や育つ環境を変え育てた銘柄豚を査定するため、その種類がたくさんになったと考えられています。わずかな量とはいえ、日本からシンガポールや香港などへも輸出されているんですよ!

 そんな豚肉に豊富な栄養素は何といっても良質なタンパク質ですが、それ以外にも注目すべき栄養素がたくさん含まれています。まずは、炭水化物に含まれる糖質からエネルギーを作り出す時に欠かすことのできないビタミンB1。鶏肉や牛肉などの他の肉類と比べても5~10倍多く、疲労回復に欠かせない栄養素のひとつともいわれています。減量中で炭水化物を控えた場合にも効率よくエネルギーを作り出してくれるため、アスリートなどにもよく必要とされる栄養素でもあります。

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