なかなか良くならないうつ病は「そううつ病」を疑え
双極性障害には、そうの程度が激しい“Ⅰ型”と、軽度の“Ⅱ型”がある。特にⅡ型では「人生の半分近くがうつ状態」といわれるほどで、「そうの経験は1回だけ」という患者すらいる。
だからうつ病と誤診されやすい。近年「新型うつ」とも称される非定型うつ病(過食・過眠・見捨てられ不安・都合の悪い時だけうつになるなど)の8割は双極性障害との報告もある。
「双極性障害の8割は最初は別病名がつけられ、正しい診断がつくまで平均で8年、3分の1は10年以上という欧米のデータもあります。日本ではもっとかかっているのではないでしょうか」
双極性障害には、アルコールや薬物の依存症、摂食障害、境界性パーソナリティー障害、ADHDやASDなどの発達障害、パニック症などの不安症、PTSDなどの合併が多く、受診時にそちらに重きが置かれてしまうことも多い。
「双極性障害は自殺リスクが高く、一般人口の20~30倍です。未治療では2割が自殺に至り、逆に自殺未遂歴のあるうつ状態の7割が実は双極性障害だったとの報告もある。速やかに見極め、適切な治療につなげなければなりません」