医薬品が感染症を引き起こしたり悪化させるケースもある
感染症を誘発する可能性が知られている医薬品は、免疫抑制の効果によるものだけではありません。たとえば、糖尿病治療薬のひとつであるSGLT2阻害薬は、尿路感染症の発症率を上昇させるといったデータが報告されています。SGLT2阻害薬は、尿から排出される尿糖の量を増加させ血糖を下げる薬で、その作用によって尿中での細菌が増加しやすくなるのです。ただ、糖尿病自体が尿路感染症のリスクともいわれています。
ほかにも、統合失調症などの症状を改善するために使われる抗精神病薬では、誤嚥を起こしやすくなるケースもあり、誤嚥性肺炎に注意が必要です。
医薬品に副作用はつきものですが、そのために薬をやめてしまうことは避けなければなりません。ですから、ご自身の病気になぜその薬が必要なのか? また、どのような副作用があるのか? 対処法はどうなのか? 担当の医師や薬剤師にしっかり確認することが大切なのです。