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森大祐整形外科医

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

肩関節痛は治療効果を信じている人ほど治療成績が良くなる

公開日: 更新日:

 肩関節の痛みの改善において、次の4つのうち、何が最も大切だと思いますか? 「外科医の手術の腕」「リハビリを行うセラピストの腕」「肩の組織(腱や軟骨)の状態」「治療への期待度」──。答えは「治療への期待度」です。

 2016年、アメリカのMOON Shoulder Group(肩関節外科医の有志のグループ)が多施設研究で、肩の腱板断裂の患者さん433人にリハビリプロトコール(実施手順)を伝えた上で、運動療法を実施。どれくらい改善するかを調べました。

 すると87人が、運動療法だけでは良くならず、手術に至りました。

 この手術となった87人を「(運動療法が)不成功」と定義し、統計解析を経て、どの因子が不成功に最も大きく関係しているか(95%以上の確率で不成功になる因子)を調べたところ、「治療への期待度の低さ」が該当したのです。

 またMOONグループと違うグループが手術を受けた集団を対象に、先と同じ定義で不成功になるか、どの因子が有意に影響するか調べました。その結果も「手術への期待の低さ」が最大因子となったのです。

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