森大祐
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森大祐整形外科医

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

痛みに有効なのは「温める」こと…温度の段階を踏むのがポイント

公開日: 更新日:

 戦国武将の豊臣秀吉と石田三成が出会った時のエピソードをご存じでしょうか? これを思い出すたび、痛みの鎮め方と共通する部分があるな、と感じます。

 長浜城主となった秀吉が鷹狩りをしていた時のこと。ある寺に立ち寄り茶を所望したところ、寺の小僧が3杯のお茶を出しました。1杯目は、大きな茶碗にぬるめのお茶。2杯目は、やや小さめの茶碗に少し熱めのお茶。3杯目は、さらに小さめの茶碗に熱いお茶。

 ぬるめでたっぷりのお茶で喉の渇きを癒やし、ほどよい熱さ、量のお茶で一息つき、最後は熱いお茶をゆっくりと味わってもらう。相手の様子を見て機敏に対応する小僧(後の石田三成)に感心し、秀吉は彼を家来にしたといいます。

 さて、肩や腰などが強い痛みに襲われ、今すぐどうにかしたい、しかし夜間などで医療機関に行けないという時、有効な
方法は「温める」ことです。濡れタオルを電子レンジでチンするなどして患部に当てればOKです。

 ただし、いきなり熱いタオルを患部に当てるのではなく、三成が秀吉にお茶を出した流れのように、「ぬるめ→やや温かめ→熱い」と段階を踏んだ方が効果的です。

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