著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

糖尿病の人はカルシウムのサプリメントは危険?食事から摂取したい

公開日: 更新日:

 サプリメントを健康のために使用している方は多いと思います。サプリメントは薬とは違って、食べ物などにもある「栄養素を補充する」という意味合いですから、その効果は薬ほどではなくても、それで体に悪影響があるようなことはない、そう考えるのが普通です。

 ところが……非常に一般的なサプリメントの1つであるカルシウムで、心筋梗塞脳卒中など、動脈硬化関連の病気のリスクが上がるのではないか、という研究結果が最近複数発表され、専門家の間で注目されています。

 今年の糖尿病の専門誌に発表された論文によると、43万人以上の医療データを解析した結果として、糖尿病の患者さんがカルシウムのサプリメントを使用すると、心臓病などで死亡するリスクが67%も増加していたのです。その一方で糖尿病の患者さん以外での解析では、そうしたリスクの増加は認められませんでした。その原因は不明ですが、糖尿病の患者さんはもともと動脈硬化関連の病気が多く、カルシウムの悪影響が出やすいのではないかと推測されています。

 食事からのカルシウムの摂取では、こうしたリスクの増加は勿論ありません。サプリメントがすべ危険というわけではありませんが、カルシウムは食事から十分に摂り、サプリメントは必要最小限の使用に留めるのが良いようです。特に糖尿病の患者さんはお気をつけください。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動