親が身につけるべき「正しい話の聴き方・伝え方」10原則~①
特に社会的成功を収めたような親御さんの中には、愛情がゆえに自らの背中から学んで立ち直る参考にしてほしいと、自らの武勇伝や成功体験を語り始められる方も少なくありません。しかし聴く心の準備のできていない相手には、これも語り手の優越感に浸ったようなマウンティングにしか聞こえず、「お前の話は聴く気がない」という、さらに子の心を折る有害無益な危険行為だと肝に命じましょう。お子さんから教えてほしいと聞かれない限り、まったく不要な情報です。(つづく)
▽最上悠(もがみ・ゆう) 精神科医、医学博士。うつ、不安、依存症などに多くの臨床経験を持つ。英国NHS家族療法の日本初の公認指導者資格取得者で、PTSDから高血圧にまで実証される「感情日記」提唱者として知られる。著書に「8050親の『傾聴』が子供を救う」(マキノ出版)「日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる『感情日記』のつけ方」(CCCメディアハウス)などがある。