毛髪再生医療「S-DSC」で薄毛の悩みを解消 男性の20.6%に改善が! 2024年7月から実用化スタート
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」によると、AGAに対して推奨度A(行うよう強く勧める)の治療は、内服薬の「フィナステリド」と「デュタステリド」のほか、外用薬の「ミノキシジル」があるのに対し、FAGAではミノキシジルのみ。
いずれも毎日継続する必要があるほか、内服薬では、まれではあるが性機能障害や肝機能障害が報告されている。
そこで、冒頭に述べた新たな毛髪再生医療が期待されている。
■毛根の細胞を培養して頭皮に注入
「これまで毛の根元にある毛乳頭(DP)細胞が、毛髪の成長や増毛に関係すると知られていました。過去の研究で、毛髪組織のさらに深部にある毛球部毛根鞘(DSC)細胞を取り出して培養し、投与したところ、DP細胞を移植したときに比べてより毛を太くすることが分かったのです。そこで今回、『S-DSC毛髪再生医療』として、患者さんへ提供を開始しました」
局所麻酔をして患者自身の脱毛していない部位から直径5~6ミリの頭皮と毛髪を採取し、顕微鏡下で毛根からDSC細胞だけを取り出す。2~3カ月かけて培養したら、専用の注射器で患者が希望する部位に培養液を注入する。効果は3カ月後から現れ、効果が確認され患者が治療の継続を希望する場合には再投与する。