青学大駅伝選手 皆渡星七さんの命を奪った「悪性リンパ腫」とはどんな病なのか?
悪性リンパ腫罹患数の男女比は、ほぼ3対2の割合だという。年々増加の傾向にあり、年間発症数は3万5997例(20年)で、その死亡者は1万4197例(23年、いずれも国立がん研究センターのデータから)に達した。
■5年生存率は、適切な治療で80%
今回のように若い人にも発症しやすいのだろうか。
「ホジキンリンパ腫では2峰性といって、若年層と中高年層に発症します。非ホジキンリンパ腫では50~60歳に多いとされます」
皆渡さんは悪性リンパ腫のどのタイプだったのだろうか。
「悪性リンパ腫には組織型が70種類以上あり、それぞれ性質が違ってきます。彼の悪性リンパ腫の組織型が不明ですのでお答えできません」
助かる可能性はどのくらいあるのだろうか。
HLの5年生存率(治療から5年後に生存している割合)は、適切な治療が行われた場合80%に達する場合もある。
治療後5年間、病気が再発しない(無増悪)割合について「患者さんの予後因子(病気の進行に関連する要素)の数で決まります。その数が0個だと再発しない確率は84%なのに対し、それが5個以上になると42%まで下がります」と照井教授は指摘する。