紫外線を利用した「光線療法」は難治性の皮膚病の強い味方

公開日: 更新日:

 名古屋市立大学が乾癬の患者に対し、植物抽出物ソラレンを患部に塗って肌を敏感にし、UVAを当てる治療を世界で初めて行ったのは1975年のこと。

 その後、研究結果や臨床結果を積み重ね、ソラレンを使わなくても治療効果が認められ、副作用が少なく、一般診療でも使いやすい光線療法を徐々に開発していった。

 ざっと挙げると、最初の「ソラレン+UVA(1975年)」→「311ナノメートル ナローバンドUVB(2002年)」→「308ナノメートル エキシマライト(2008年)」……という具合にだ。

「有効な波長は、病気によって異なります。UVAが効果的な場合もあれば、UVBが効果的な場合もあり、また同じUVA、UVBであっても波長の強さのピークがどの程度かで、効果や副作用が異なります。治療回数や照射時間も異なる。例えば2002年のナローバンドUVBの治療では、患部以外への照射で不必要な光老化や発がんのリスク、治療回数が多く、照射時間も長いなどの問題点があり、それをクリアするために2008年に登場したのがエキシマライトになります。2020年代に入ってからはLED化した光線も実用化されています。高出力のLEDで、照射時間が激減しました」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造