世界救世教の分派「救世神教」はコロナ禍前から“ワクチンは劇薬”と主張していた
2019年1月、三重県の「民間団体」で麻疹の集団感染が発生したとニュースになった。感染者は中高生を含む10~20代の男女27人。前年末に開催された研修会の参加者で、大半がワクチン未接種だった。以後、関西や東海地方で関係者以外にも麻疹感染が広がり、大騒ぎになった。
当初は地元の行政が団体名を非公開にし、メディアも報じなかった。この団体が「救世神教」であることをつかみ、ニュースサイト「やや日刊カルト新聞」でスクープしたのが、現在旧統一教会問題で活躍中のジャーナリスト・鈴木エイト氏だ。
救世神教は世界救世教の分派。世界救世教の教祖・岡田茂吉は、手かざし(浄霊)で病気を治せると主張、これこそが科学であるとして一般的な医療を否定した。岡田が生きた明治から昭和初期は医療も未発達だったが、世界救世教とその分派は現在でもこの教義を維持している。もちろん救世神教も例外ではない。
救世神教はワクチン接種も否定している。19年当時、教団のウェブサイト「浄霊奇蹟の体験」には〈ワクチン接種を迫られた私の体に大異変! 浄霊と祈りではしか抗体の数値が10倍に〉とする信者の体験談が。教団の機関誌「神教」には〈三男は、妊娠中からご浄霊を頂く中で育ち、ワクチンや予防接種などは1本たりとも体に入れていない〉との体験談が掲載されていた。