【能登地震現地ルポ】被災地のリアル、子どもたちの心を癒やす“津波ごっこ”の重要性
「昨日は小学生がミニカーを使って“津波ごっこ”をしていました。不謹慎だと思うかもしれませんが、こうして子どもたちは現実を受け入れていくというのが、心理士のアドバイス。叱って止めると子どもを萎縮させてしまう。大人の顔色を見て塞ぎがちとなり、ますますストレスをため込むだけです。心の傷を癒やすためにも、大人たちは見守ることが大切です」(稲葉氏)
保護者たちも子どもの面倒を見てくれる人がいて一安心。避難生活のストレスから解放される。被災地の日中は給水所での水くみ、食料の買い出し、家の片付けなど、やることが山ほどある。学校や保育所などは機能しておらず、どこかに子どもを預けたいというニーズは多い。利用中の母親のひとりはこう話す。
「自宅で美容院をやっています。水道の復旧まで、店は再開できないし、先の見えない状況です。それでも日常生活を取り戻すため、動き出さなければならない。日中はメチャクチャになった家を片付け、夫はボランティア活動に参加しています。子どもの面倒を見る余裕がないので、6歳の娘と4歳の双子の息子を預かってくれて、本当に助かっています」