舛添要一(下)昔の友人として言わせてもらえば、政界をキッパリ引退した方がいい

公開日: 更新日:

 しかし、小池の野望はついえた。子飼いを擁立した目黒区長選、子分を担いだ衆院東京15区補選は大惨敗。神通力の喪失は隠しようがない。

■国政復帰は国家リスク

「学歴詐称疑惑を鎮火させるため、20年に駐日エジプト大使館が卒業を認定するカイロ大声明をSNSで発信しました。彼女はエジプトに大きな借りをつくった。外交は国政です。彼女が国会議員になり、大臣になったらエジプトの意向を無視できなくなる。パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止をめぐり、エジプトは仲介交渉を担っています。日本の見解を求められた場合、エジプト寄りの意見を言わざるを得なくなる。国政復帰は日本にとってリスクでしかない」

 そうでなくても、小池が再選を果たして以降、都はエジプト関連予算を増額。少なくとも22年までに計9700万円を費やしている。行き場を失った小池の基本路線は、しがみつき3選だ。

「この先4年間、都政で何を実現したいのか? それが全く見えないのですから、東京で暮らす人、働く人にとっても3選はプラスにならない。学歴詐称は公選法(虚偽事項公表罪)に違反しますが、3年の公訴時効は成立している。卒業証書などを偽造した場合、時効7年の公文書偽造、時効5年の私文書偽造に問われる可能性があるものの、あと3年静かにしていれば乗り切れる。昔の友人として言えば、政界をキッパリ引退した方がいい。これ以上、傷つかない方がいい」

(坂本千晶/日刊ゲンダイ)

舛添要一(ますぞえ・よういち) 1948年、福岡県生まれ。東大法学部政治学科卒。東大教養学部政治学助教授などを経て、舛添政治経済研究所を設立。国政では参院議員2期、厚労相を務めた。2014年に都知事就任、16年辞職。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    大谷を襲う「申告敬遠禍」…不動のリードオフマン離脱は本塁打王争いの行方にも影響必至

    大谷を襲う「申告敬遠禍」…不動のリードオフマン離脱は本塁打王争いの行方にも影響必至

  3. 3
    南果歩は艱難辛苦を乗り越え60歳で“玉”になった 夫の不倫が原因で2度離婚も初孫誕生に歓喜

    南果歩は艱難辛苦を乗り越え60歳で“玉”になった 夫の不倫が原因で2度離婚も初孫誕生に歓喜

  4. 4
    「あぶ刑事」で鈴江刑事役の御木裕さんは今…小細胞がんで2年半闘病も「節制はしていません」

    「あぶ刑事」で鈴江刑事役の御木裕さんは今…小細胞がんで2年半闘病も「節制はしていません」

  5. 5
    悠仁さま「東大合格計画」は推薦50%時代に悪手なのか…お茶大付→筑付と地歩を固めた集大成

    悠仁さま「東大合格計画」は推薦50%時代に悪手なのか…お茶大付→筑付と地歩を固めた集大成

  1. 6
    絶好調!大谷がオンボロ投手陣相手にますます本塁打荒稼ぎの予感 25日から投壊中のホワイトソックス戦

    絶好調!大谷がオンボロ投手陣相手にますます本塁打荒稼ぎの予感 25日から投壊中のホワイトソックス戦

  2. 7
    天才子役と呼ばれた斉藤こず恵さんは3年前に22歳年下と“コロナ婚”「イケメンゆえ、最初は詐欺かと…」

    天才子役と呼ばれた斉藤こず恵さんは3年前に22歳年下と“コロナ婚”「イケメンゆえ、最初は詐欺かと…」

  3. 8
    大谷翔平の怒りは収まらず…日テレ&フジ「自宅空撮」で“ドジャース出禁”のその後

    大谷翔平の怒りは収まらず…日テレ&フジ「自宅空撮」で“ドジャース出禁”のその後

  4. 9
    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  5. 10
    専大松戸の遠征事情…私がほとんど「千葉県以外、関東圏内」の学校としか練習試合を組まない理由

    専大松戸の遠征事情…私がほとんど「千葉県以外、関東圏内」の学校としか練習試合を組まない理由