オズールジャパン 楡木祥子社長(1)世界的な義肢装具パーツメーカーの日本法人
■日本の会社には仕事がなかった
楡木は、20年前にオズールの仕事を始めた。
「私がこの会社に入ったのは、日本の会社には仕事がなかったからです」
義肢装具士の国家資格を持っていたにもかかわらず、楡木が30代の頃には子育てを支援する環境は整っておらず、2児を抱える女性に仕事の道は閉ざされていた。
実際、楡木の周囲でも同世代の女性のほとんどが、結婚や子育てによって仕事を辞めていた。
しかし、アイスランドの本社に行くと、楡木と同じような年齢で、保育園や幼稚園に通う子どもを持つ母親たちがたくさんいて、当たり前のように働いていた。
アイスランドはジェンダーギャップ指数で13年連続1位という、世界で最もジェンダー平等な国として知られている。ちなみに、日本は116位で、主要先進国の中では最下位だ。
オズールの社員は男性51%、女性49%でほぼ半々、女性の管理職は38%もいる。