たった1つのアイデアで多くの人を動かす「インサイト」と似て非なる“3つの概念”決定的な違い

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インサイトは、「ニーズ」ではない

 マーケティングの世界においてよく使われる「インサイト」という概念。闇雲に努力して、ひたすらにアイデアを捻り出そうとするよりもたった一つの「インサイト」さえ見つかれば、信じられないような高い確度で、より多くの人を動かせるような、優れたアイデアが発想できます。

 一方、その本質を理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。似て非なる概念をインサイトだと思っている人もいるかもしれません。「人を動かすアイデア」を誰でも生むことができる「インサイト思考」に迫った『センスのよい考えには、「型」がある』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けします。

  ◇  ◇  ◇

 インサイトとは、「人を動かす」と「隠れたホンネ」という2つの要素から成り立ちます。インサイトをこのように2つの要素から定義すると「インサイトと似て非なるもの」が見えてきます。

 似て非なるものとして、ここでは「ニーズ」「ファインディングス」「常識/定説」の3つを取り上げます。それぞれの違いをわかりやすく捉えるために、先ほどのインサイトの条件であった「人を動かす」と「隠れたホンネ」の有無の2軸で4象限に分けて考えてみます(図1−5)。

 まず、縦軸の「隠れたホンネ」「明らかなホンネ」という軸で、「インサイト」と「ニーズ」を分けることができます。ニーズは「人を動かす」が「明らかなホンネ」です。

 ここでは、有名な「レビットのドリルの穴理論」を例に挙げて見てみましょう。

 あるホームセンターにドリルを買いに来店した人がいました。その人は店員に「6ミリのドリルはありますか?」と尋ねますが、店員は「あいにく品切れです」と答えてしまい、その客が退店してしまった、というお話です。

 このとき、店員が「何をするために6ミリドリルが必要か?」を聞き出せていれば、「壁に6ミリの穴を開けたい」という〝ニーズ〟が明らかになり、6ミリの穴を開けるのだったら、多少の労力はかかるが在庫があってより安価なキリを提案したり、またはそのお店が提供している壁に穴を開ける出張サービスの利用を促したり、といったことができたのに、というケースでニーズをわかりやすく説明しています。

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