昌子源が直面した現実「ずる賢さは比べものにならない」
惨敗から2日。練習が再開してもリヨン戦のことが脳裏に焼きついて離れなかった。「どうしたらデンベレとの1対1を止められるか? ずっと考えてました。体がぶつかった瞬間に感じたのは『あぁ岩やな』ということ。それが一番正しい感覚ですね」と屈強な大型FWのフィジカルには驚かされるばかりだった。
さらにもうひとつ、気付いたのが、味方との守備の価値観の違いだ。
「あの場面で自分の左にいたDFジュリアンには誰もマークがいないのにカバーに来るそぶりもなかった。日本で同じシーンがあれば、わざとデンベレの死角に入って『カバーがいるよ』と思わせる動きをするのに、こっちは一切ない。日本ではカバリングや2対1で守ること、組織の完成度とかを学べるけど、欧州は<個で守る>を重視している。そこがバーンと伸びていくのかな。日本の延長線上に欧州があるという感じはしないし、全くの別世界ですね」と新たな発見を口にする。
W杯のような大舞台で勝とうと思うなら、日本と欧州で身に付けられる要素を全て体得する必要がある。もし自分がロシアの時点で海外組だったら、ベルギーに決勝ゴールを叩き込まれた「ロストフの14秒」の場面で自分はこうしていただろうか? そう思うところが昌子にはある。