著者のコラム一覧
いとうやまねコラムニスト

サッカー、フィギュアスケート、ラグビーなどのコラムニスト。取材・構成・ライティングを担当した土肥美智子著「サッカー日本代表帯同ドクター 女性スポーツドクターのパイオニアとしての軌跡」が好評発売中。

オールブラックスの精神的支柱 HAKAとシダとマオリの魂

公開日: 更新日:

「いいか、よく聞け!」「戦いに備えろ!」「うーっ!」

 隊列を組み、舌を突き出すと、いよいよ本編である。お馴染みになったニュージーランド代表のハカ。先住民マオリ族の言葉で「HA」は息、「KA」は炎を表す。かつては他部族との戦いの前に行われ、結束と集中を共有する儀式だった。

 ハカには「カマテ」と大試合で見せる「カパオパンゴ」という舞がある。後者の意味は「黒をまとうチーム」。オールブラックスのことだ。リーダーの鼓舞と勇ましい中腰の群舞は圧巻である。タトゥーをまとったたくましい腕と打ち鳴らされる太ももは、大地をも震わせる。「戦いの時が来た!」「我々の圧倒的な強さを感じろ!」と敵を威圧する。

 現在のニュージーランドでは「マオリ族に会いに行く」ツアーがあるらしい。そこでも儀式があるようで、まず、マオリ戦士の雄たけびを全身に浴びる。そして、地面に置かれた「シダの葉」を戦士と目を合わせたまま拾わなければならない。こちらに敵意がないと見なされれば、歓迎の意を示される。

 ここで使われるシダは「シルバーファーン」と呼ばれるものだ。高さが10メートルにもなり、英語名が示すように葉の裏側が銀色をしている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動