2010年W杯 南アフリカの地で違和感を拭い切れなかった
「北沢さんには本当によくしていただいたし、いろんな国に行ったり、普通はできないような経験もさせてもらったけど、どうしても違和感は拭い切れませんでした」
それは、16年に小林悠(川崎)のマネジャーを務めた時も同じ。
実弟である安彦篤氏が麻布大学付属渕野辺高校(現麻布大学付属高校)のサッカー部監督を務めている関係で小林が10代の頃に知り合った。
弟のように可愛がり、キャリア全般をアドバイスするような関係を築いていたが、結果的には短期間で身を引く決断をした。
「悠とは今もいい関係ですし、彼をすごく尊敬しています。ただ、僕はやっぱり『人をサポートする』のではなく、自分の船を持って操縦しないと気が済まないタイプ。それを彼らから学ばせてもらい、その後の生き方にもつながっています」
自分らしい生き方の模索はまだまだ続く。=つづく
(取材・構成=サッカージャーナリスト・元川悦子)