破天荒の原点 ブラジルで再会した恋人はお腹が膨らんで…
引退試合となった2020年12月20日のJ3藤枝戦。「年俸120円Jリーガー」として話題になった安彦考真(43)は試合後に行われたセレモニーで、「次の挑戦は格闘家」といきなり宣言して周囲を驚かせた。彼の破天荒な生き方の原点は、10代で向かったブラジルにあった。
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「プロサッカー選手になるんなら、高校なんて行かずにカズ(三浦知良=横浜FC)みたいにブラジルに行く手がある」
中3で両親にこう宣言したが、さすがに中卒でのブラジル行きは許してもらえず、地元・相模原市内の高校に進学。サッカーとアルバイトを掛け持ちしながら、高校3年夏にようやくブラジル留学を実現させた。
1995年夏、ブラジル南東部のミナスジェライス州ベロオリゾンテにあるサンジョゼというクラブの寮で3カ月生活し、本気で王国でプロになろうと決意。高校卒業後に再渡伯し、南部パラナ州マリンガのグレミオ・マリンガというチームのユースに入った。