「月給1円 年俸10円」39歳でJ2水戸と念願のプロ契約
「知名度を上げようとする40歳Jリーガーと契約するクラブは間違っている」といった投稿がSNSで届いた。ますます思い悩んでしまい、鳥栖や清水のテストを受けた時のような「イップス」に近い状態におちいった。
「そこから抜け出すために朝起きてすぐ、選手寮のトイレに行って『俺は最強だ!』と言い聞かせながら、笑顔をつくる練習をしたんです。車いすテニスの国枝慎吾さん(パラリンピック金メダリスト)のプレッシャー克服法だと聞いて取り入れました。それを繰り返すことで『迷うは行動前・悩むは行動後』と割り切れるようになった。練習試合でもゴールを奪ったりと、明らかにプレーも変わりました」
だが、出番どころかベンチ入りの機会もないままシーズンは進み、11月17日の最終節・金沢戦前に戦力外通告を意味する<0円提示>を受けた。
「ロクに活躍できなかったけど、プレー以外の姿勢から<何か>を感じてもらえたことは自信になりました。一方で明日がない立場であることも痛感した。Jリーガーという肩書にしがみつきたい自分もいる中、これからどうしたらいいのか、葛藤に苦しみました」