右手有鉤骨骨折もギプスをしたままの代走出場に敵もア然
とはいえ、術後に抜糸をしても、しばらくは痛みがあったし、握力も普段は50キロ台あるのが10キロ台にまで落ちた。
日常生活にはあまり支障はなかったが、バットを振れるまで2カ月はかかるという。一軍復帰は夏ごろになることを覚悟していた。
二軍の浦和球場で一人、黙々と走り込みを続け、5月中旬には塁間程度のキャッチボールとトス打撃を始めるところまで回復した。それから1週間が過ぎたあたりで、一軍マネジャーから、「明日、川崎球場へ来てもらえるか?」と連絡を受けた。
術後の経過を報告するものだと思い、翌日、川崎球場へ向かった。有藤さんのもとへ挨拶に行くと、私の顔を見るなり、こう言った。
「ニシ、今日から行くぞ!」 =つづく