有働由美子さんが語るタイガース愛「MOSS砲の名付け親になりたい」
有働由美子さん(「news zero」メインキャスター)
「今年は優勝してしまうと思います」。こう期待を込めるのは日本テレビ系「news zero」メインキャスターの有働由美子さん(52)。NHK時代はスポーツ番組のキャスターを歴任し、キャンプや球場にも足しげく通ったプロ野球通。“猛虎愛”は筋金入りだ。
■85年日本一以来変わらぬタイガース愛
「そもそもは小学6年生のときに大阪に引っ越したのがきっかけです。小学校は4度目の転校でしたが、阪神ファンじゃないといじめられそうな重圧が(笑い)。でも家では父が厳格な巨人ファンで、近所のダイエーでオリジナルで作れるプリントシャツは王(貞治)さんを着させられてました。子供心に葛藤がありました」
85年の日本一の時は大阪府立北野高校2年生。以来、変わらぬタイガース愛を貫いている。
「高校の数学Bの授業では先生が阪神が優勝する確率を延々解いていました。大学(神戸女学院)のときは新聞部で、現役の真弓選手に取材したのが思い出です。女子大で誰も興味なかったけど無理やり自分で企画を通して、甲子園球場の喫茶『蔦』でじっくり話を聞きました。バース選手とも通路で写真を撮ってもらいました」
大学卒業後の91年にNHKへ入局。「サタデースポーツ」「サンデースポーツ」のキャスターを担当し、プロ野球との距離がグッと近くなった。
「何度もインタビューしましたし、仲良くさせていただいたのは星野(仙一)さんですね。星野さんは元『サンデースポーツ』のキャスターでいらっしゃったこともあって、中日の監督時代には監督室にテレビ電話をつけさせていただき、試合直後に生電話で感想を聞くという企画をやったことも。負けた日は出てくれるかどうかハラハラでしたが大好評。でも連盟に怒られて3回くらいで終わりました……。星野阪神の最初の年の開幕戦は隠しピンマイクを付けて試合前のミーティングを撮らせてもらったことも思い出されます。あのときの、緩急つけた絶妙な激励で選手を鼓舞する姿はさすが選手の気持ちを掌握する闘将だとうならされました」
03年のリーグ優勝の直前には星野監督の母親が亡くなっていたことを発表前に知らされていたという。
「優勝当日、胴上げに向かう甲子園の通路で目が合って、すごく切ない笑顔でいらっしゃったことが印象に残っています。選手たちには士気が下がるから絶対に言うなと言われていました」
星野監督とはこんなエピソードも。
「たしか東スポで『星野監督電撃結婚! 相手は?』という1面飛ばし記事があって、相手候補の一人に私の名前が書いてあったんです。そしたら星野さん自身が『ないわ、おれ面食いやから』と発言されたと書かれていたのを読んで抗議の電話をしました(笑い)」