「鉄道少年」佐川光晴著

公開日: 更新日:

 5歳以前の記憶がなく、両親の顔も覚えていない「わたし」は、半年前に巡り巡って手元に届いた小さな段ボール箱を開けて、初めて自分が何者かを知った。箱の中には数本のカセットテープと「鉄童日記」と書かれたノートが入っていた。「わたし」は、その情報を頼りに幼いころの自分を知る人に会いに行く。最初に訪ねたのは、今は神田で出版社を営む百合子さんだった。当時、友人の仕事を手伝っていた百合子さんは、青函連絡船を使って函館と東京の間を行き来していた。幼かった「わたし」を見かけたのはその船の中だったという。

 国鉄民営化前、北海道を拠点に一人で電車旅をする男の子と、彼をめぐる人々をミステリアスに描く長編小説。(実業之日本社 620円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”