「羽生結弦を生んだ男 都築章一郎の道程」宇都宮直子著
羽生結弦選手を見いだし、育てた名伯楽・都築章一郎氏の指導者人生を追ったルポルタージュ。
氏はまだ8歳でジャンプも満足に跳べなかった少年時代の羽生選手の才能を見抜き、「オリンピックに行こうね」と声をかけたという。その後、諸事情で2人の道は分かれたが羽生選手の活躍はご存じの通り。他にも世界選手権で日本人初のメダルをとった佐野稔選手をはじめ、多くの選手を指導。さらに指導者になった教え子からもオリンピック選手が続々と生まれている。
私財を投じて旧ソ連時代から選手を派遣したり、コーチを招聘するなど、本場ロシアとの交流も続けてきた。そのロシアスケート界の重鎮らのインタビューを交えながら、日本のフィギュアスケートの黄金期の礎を築いた氏の生涯に迫る。
(集英社 780円+税)