「美しき人生」蓮見圭一著
「美しき人生」蓮見圭一著
妻と離婚した阿久津哲也は息子の高校の卒業式に出た。謝恩会で、真壁校長の乗っている古いブルーバードが話題になった。その車は、RHマイナスAB型の真壁が献血したおかげで助かった女性の夫から贈られたものだったのだ。
阿久津が構成を担当しているラジオの番組で真壁の話を取り上げることになり、取材のため、真壁を訪ねる。真壁の中学時代のアルバムに、とんでもない美少女、水島明子が写っていた。
育ててくれた祖母が老人ホームに入所し、沼津の叔母に引き取られることになった真壁に、成人式の日に会おうと、明子は言った。だが、やがて彼女は難病にかかる。
冷めることのない愛を描いた純愛小説。 (河出書房新社 1870円)