「カオスなSDGs」酒井敏著
「カオスなSDGs」酒井敏著
著者は、SDGsはキレイゴト、リアリティーに欠ける理想論にすぎないと指摘する。多くの人がSDGsに感じているモヤモヤの正体を解き明かしながら、その向き合い方を説いたエッセー。
例えば、脱炭素とともに関心を集める「脱プラスチック」。鼻にストローが刺さったウミガメの映像が世界中に広まり、海洋プラスチックの問題が浮上し、有料化によるレジ袋削減や紙ストローの導入などが進んだ。
しかし、現代社会に欠かせないプラスチックをすべて排除したら不便で不経済な社会になってしまう。そもそもどうしてプラゴミが海に流出したのか、その背景を解説し、リサイクルよりも持続可能性が高い処理方法を提案する。
問題の背景にある「大人の事情」と科学的観点からSDGsを解説した目からウロコ本。
(集英社 968円)