「メイク・バンカブル!」黒木亮著
「メイク・バンカブル!」黒木亮著
黒木は31歳のとき、ロンドンの金融街シティーの邦銀ロンドン支店で、国際協調融資の参加招聘状を作成しながら、自分が国際金融マンになったことを実感した。
都市銀行に就職して最初に配属されたのは千葉の津田沼支店で、外国為替など扱っていない小さな支店だった。その後も配属されるのは国内支店ばかり。国際金融マンを目指していた黒木は、イギリスのロイズ銀行の東京事務所などに応募し、勤務先の日本橋支店の上司に辞職を申し出た。
上司に希望を聞かれ、ニューヨークかロンドンに行きたいと答えると、2、3カ月後になんとロンドン行きの内示が出たのだ。国際金融の経験もないまま、著者はロンドンに赴任する。
経済小説を書き続ける著者が歩んできた道程をつづる自伝的ノンフィクション。
(集英社 2310円)