「ねこを描いてみませんか?」パク・スミ著
「ねこを描いてみませんか?」パク・スミ著
デスクに置かれていた同僚からの業務連絡メモ。その片隅に「よろしく」の吹き出しと共に猫のイラストが手描きされていた。あらゆる文書がデジタル化されている昨今だからこそ、ちょっとしたひと手間が相手の気持ちを温かくさせるものだ。よいことは真似させてもらおうと猫のイラストを描いてみたが、しかし絶望的に下手くそで描かない方がマシなありさまだった。
そこで手に取ったのが、猫の描き方300点以上を紹介している本書。ほのぼのとしたタッチで、メモの片隅に添えるのにちょうどいい可愛さの猫が描けそうだ。さっそく紙とペン、そして色塗り用の蛍光マーカーをそろえて描いてみた。
まずは猫の顔。ピンと立った三角の耳から描き、次に輪郭を丸く描く。やや楕円形寄りがいい。そして顔の中心寄りに丸をふたつ。その中に黒目を描いたら、目のすぐ下に数字の3を横に倒したような口を描く。おぉ!これだけで立派に猫に見える! そして、シャム猫なら耳と顔の真ん中を茶色く塗り周りは薄橙色に。三毛猫なら顔の左上をオレンジ、右上を黒で塗ったらどこからどう見ても立派な三毛猫のイラストになった! 意外と簡単ではないか。
猫と言えば自由気ままで可愛いしぐさが特徴だが、本書ではあおむけになってお腹を見せる猫やパソコンの上に座る猫などさまざまなしぐさの描き方も紹介している。
例えば、猫が伸びをする姿勢なら顔の右上あたりから上に向かって背中のラインを描き、尻尾も上に向かってしなやかに。脚の描き方は少々難しいが、順番に描き方を解説しているのでお手本通りに進めば難しいしぐさもいつの間にか描けてしまった。
ちょっとした特技ができたようでうれしくなったぞ。 〈浩〉
(西東社 1430円)