隣の芝生は本当に青い!?最新お仕事本特集
「君はなぜ働くのか」永松茂久著
やりたい仕事ができる幸運な人もいるが、やりたくなかった仕事が突然面白くなることもある。人生は意外性の集積なのだ。そんなふうに思わせてくれる仕事の本を読んでみよう。
◇
「君はなぜ働くのか」永松茂久著
明確な夢を持って計画を一つ一つ実現することが成功する唯一の方法ではない。むしろ中途半端に夢など持たない方が、成功する可能性は高くなる。成功を手に入れるためには、自分が何のために働いているのかを明確にする必要がある。
著者は3坪のタコ焼き屋から始めて、150席の大型レストランを経営するようになった。商工会議所主催のセミナーで、講師に「何年で何店出店、年商何億」という目標を書かされたとき、弟に、本当にこれをやりたいのか聞かれ、自分が何をやりたいのか分からなくなった。そして「師匠」から、好きなことを仕事にできる人は少ない、まずは自分が仕事を好きになることだと諭される。働くことの目的を考えさせる一冊。
(フォレスト出版 1650円)
「鋼の絆」五十嵐貴久著
「鋼の絆」五十嵐貴久著
首都直下型地震に備え、精鋭の消防士を集めて銀座第一消防署が設立された。その新隊員候補のひとり神谷夏美、25歳。亡父の誠一郎は火災現場で部下を救おうとして殉職した、伝説の消防士だ。
研修に参加した30人のうち、女性は2人きりである。体格がいいわけでも、技能が優れているわけでもない夏美は、研修の救助訓練でミスを犯し、非難を浴びた。そんな中、ゆりかもめの駅近くのマンションで火災が発生し、出動命令が出る。消防司令補の柳雅代は、ミスを犯してショックを受け心身ともに疲れているはずの夏美が、現場で冷静に住民を誘導しているのに気づく。
熾烈な消防の現場で活躍する女消防士を描くエンターテインメント。
(祥伝社 1870円)
「この会社、後継者不在につき」桂望実著
「この会社、後継者不在につき」桂望実著
岡村正人はケーキの製造、販売をする会社「ルージュ」の2代目社長だ。そろそろ息子に後を継がせたいのだが、長男の洋一はパート従業員から恐ろしいほど退屈といわれているし、次男の玲二はサーフィンばかりやっている。
悩んだ末に、中小企業診断士の北川に相談して、2人にチェーン店の11店舗目と12店舗目を別の店名で開店させ、2年間やらせてみることに。洋一はコンビニの向かい側の店舗を借り、きちんと計画通りに進めている。一方、玲二は国道沿いに店を開いたが、売っているのはプリンだけ。北川は2個買って試食してみた。えっ……これは……うまいぞ。
後継者問題に悩むさまざまな中小企業を救う中小企業診断士を描く。
(KADOKAWA 1925円)