「日本鉄道廃線史」小牟田哲彦著
「日本鉄道廃線史」小牟田哲彦著
国内の主要な鉄道路線は官営鉄道として建設され、昭和62(1987)年まで国有鉄道(国鉄)として運行されていた。しかし、平成12(2000)年の法改正によって鉄道事業の廃止に関する手続きがそれまでの許可制から事前届け出制に変更され、以後、公金がつぎ込まれてきた路線の廃線が相次いでいる。
本書は、廃線に注目してたどる日本の鉄道史。
路線の廃止は戦時中から始まる。その理由は現在とは状況が異なり、戦争の遂行の優先と、国民に不要不急の旅行を控えさせることが目的だった。当時、国有鉄道だけで23線区、私鉄と合わせて約600キロが休線、ないし廃線に至ったという。
以後、赤字や災害による廃線の現場を調査しながら、今も絶えない廃線論議の解決策を探る。 (中央公論新社 1155円)