「子どもをうまく愛せない親たち」橋本和明著
「子どもをうまく愛せない親たち」橋本和明著
児童虐待では、被害者である子どもや、加害者である親に知的もしくは発達の障害があるケースが多々みられるという。
子や親、もしくは双方に障害があると、本人の意図しないところで通常なら選ばないであろうとっぴで過激な行動手段をとってしまい、大きな事態を招いてしまう。
例えば、子どもに身体的虐待を与えていた自閉スペクトラム症の母親に「もっと子どもに愛情をかけてあげて」と指導したところ、逆に虐待がエスカレートしたという。母親は愛情とはどういうことか、それを示す行動とはどういうことかよく分かっていなかったのだ。
多くの事例で発達障害のある親の子育ての現状を伝え、彼らに必要なのは愛情論や責任論ではなく「子育ての技術」だとその対策を示すテキスト。 (朝日新聞出版 990円)