「なぜ働いても豊かになれないのか」佐々木隆治著
「なぜ働いても豊かになれないのか」佐々木隆治著
少子高齢化の進行で労働力不足が深刻な問題となっているにもかかわらず、労働者を取り巻く環境は悪化の一途だ。
それでも私たちはなぜ過酷な労働を進んで行おうとするのか。私たちは生活のため会社に雇われ働くことを当然のことと考えているが、この「賃労働」は歴史を振り返っても人間にとって当たり前の働き方ではないという。私たちは、この「賃金労働制」以外の社会システムは不可能だと思い込まされてきただけだと。
私たちが過酷な労働を自ら進んで行おうとする、それを可能にしているのは何か。この問いに対し最も正確な答えを与えてくれるのがマルクスの資本論だという。
資本論をひもとき賃労働について解説しながら、ポスト資本主義社会の構築のヒントを探る入門書。 (KADOKAWA 1100円)