三遊亭究斗「ミュージカル落語」成功の裏に円丈師匠の指南
劇団四季の俳優から落語家に転身。ミュージカルと落語の融合「ミュージカル落語」を自ら創作して注目を浴びている三遊亭究斗さん(52)。これまでの道のりを振り返ると節目節目で助けられた恩人は多い。
「人生七転び八起き」なーんて言いますが、ボクの人生は挫折と葛藤の連続なんです。
まず、ボクシングの世界チャンプを目指して生まれ故郷の四国・高松から上京し、プロライセンスを取得したものの、自分の技量の限界と世界を目指す選手とのあまりのギャップに意気消沈しまして、諦めてしまいました。
劇団四季へも一度受験に失敗してるんです。ましてや落語の世界に飛び込んだのは1997年、34歳でした。劇団四季には足かけ10年在籍し、俳優だけでなく、若手の稽古を見たり演出助手もしてましたから、「落語家になりたいので退団させてください」って浅利慶太代表に申し上げたところ、「バカか? 気がふれたんじゃないか?」って呆れられたものです。
最初に入門した小朝師匠にも「劇団四季を辞めるなんてもったいない」って説得されましたが、落語家への意志をお伝えしたら、引き受けてくれました。それなのに、創作落語をやりたくて、2001年に円丈師匠に移籍させていただいたんですから、受け入れてくださった円丈師匠にも、懐の広い小朝師匠にも感謝しなくてはいけません。