三遊亭究斗「ミュージカル落語」成功の裏に円丈師匠の指南
こう考えると、芸能の道に進んでから僕は、3人の師匠にそれぞれの場所で大切なことを教わったんです。浅利代表からはエンターテインメントについてと芝居の基本、小朝師匠には落語の基本と古典落語の魅力、師匠・円丈からは新作落語の豊かな発想と面白さ。
これらが融合して今の僕があるといっても大げさじゃあないですね。今取り組んでいる「ミュージカル落語」のきっかけは、円丈門下で二つ目になって、03年にオーディションで合格して帝国劇場の東宝ミュージカル「レ・ミゼラブル」のテナルディエを演じたことです。
このテナルディエというのがとんでもない悪党なんですが、どんな悪党も、生まれつきなんていないと思うんですね。じゃあ、どういう人生を歩んだらこんな悪党になってしまったのか?を歌と落語でやってみたのがミュージカル落語「テナルディエ」です。
■構成、所作や表情のアドバイス
役柄を作り上げる劇団四季の方法論に0幕というのがありまして、1幕を演じる前に1幕の人物像を自分なりにイメージする。これがヒントでした。とはいっても、初めてのジャンルですし、前例や見本がないですから、創作には四苦八苦しました。それをサポートしてくれたのが師匠・円丈です。