所ジョージ<前編>哲学者であり、自己流を貫き通す“求道者”
現在勤務する「ニコニコ動画」を運営するドワンゴで、所さんの人生相談番組を提案したところ「所ジョージさんて、司会者・MCのイメージですよね」と言われた。世間的にはそう思う人が多いのだと思うが、30有余年にわたり仕事で接してきて、所さんは“賢明な哲学者”であり、あくまで自己流を貫き通す“求道者”である。
楽屋で、日本における詳細な食品の賞味期限について話していると「世の中には厳密にすべきルールとあまり厳密にすべきではないルール・規則がある」と語ったり、待機児童問題について「国会で紹介されたあの鋭角的なメール以外のソフトな手段もある。何かトラブルがあると最近、人間や組織の直接的なぶつかり合いのケースになっているのはなぜか?」などと哲学的な問題を投げかけられる時もある。所さんの雑感を聞いているとそれは本を読んで得たものでも、人に聞いたことでもない、ある種独特の“所ジョージ的世の中の見方”を教えてくれる。
高校時代の同級生が学園祭でギター片手に世間や大人の社会に“上等な毒”を放って熱唱していた所さんの姿に「満席で熱気があって同じ高校生でもすごいヤツがいるなぁ、と思ったものです」と語っていた。フォーク歌手としての視点も10代のときからブレていない。