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児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

迫る韓国大統領選 映画「偽りの隣人 ある諜報員の告白」でも分かるリベラルが民主的とは限らない現実

公開日: 更新日:

 日本では自民党の総裁選に視線が集まっているが、韓国でも来年、大統領選挙が行われる。現在の与党である「リベラル」と野党に転落している「保守」が対決する図式で、新大統領は国民の直接選挙によって選出される。

 今回は文在寅(ムン・ジェイン)政権と激しく対立してきた尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長が最大野党の有力候補として出馬している。朴槿恵(パク・クネ)前大統領の不正を捜査し、起訴した人物だ。尹氏が大統領に選出されれば、文在寅大統領も安泰ではいられないだろう。歴代の大統領は退陣後に逮捕されたり命を落としたりしてきた。自民党の総裁選と違い、生きるか死ぬかのまさに命懸けの戦いと言っても過言ではない。

 17日、日本で公開される韓国映画「偽りの隣人 ある諜報員の告白」では大統領選への出馬妨害が描かれている。舞台は1985年、軍事政権下だった韓国。自由も人権もなく、赤い服を着ているだけで共産主義者と皮肉られる。そんな韓国に野党の政治家が3年ぶりに帰国。民主化を求めて大統領選への出馬を決めるが、与党は彼を拘束。自宅軟禁し、盗聴して共産主義者に仕立て上げ、刑務所送りにしようと企む。

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