イルカさんが初めて明かした歌う喜びの“原点”と名曲「なごり雪」秘話
イルカさん(シンガー・ソングライター/72歳)
代表曲「なごり雪」をはじめ、数々の名曲を歌い続けるイルカさん。歌うことの喜びを感じた原点は2歳半の幼少期。当時全米でヒットしていた愛と別れの歌「バイヤ・コン・ディオス」だった。デビューしてからは「なごり雪」がヒット。その秘話も語っていただいた。
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この一曲は何かと聞かれて答えるのは、すごく難しいですね。好きな曲はいっぱいあるけれど、自分にとって大きな存在でなくてはいけないし……。何だろうと考えてみたら私が生まれて初めて歌った「バイヤ・コン・ディオス」ですね。
♪バイヤ・コン・ディオス マイ・ダーリン~
バイヤ・コン・ディオスはスペイン語で「神とともにありますように」の意味。アメリカのギタリスト、レス・ポールとメリー・フォードが1953年に歌って全米でナンバーワンになった曲です。
当時は中野の天神荘というアパートに住んでいました。その頃、父(保坂俊雄)は箱根の富士屋ホテル専属のジャズバンドに入っていたので、いつもラジオとかFENとかで全米のヒット曲を聴いていたんだと思います。それを耳にして覚えちゃっていたんですね。
母親がアパートのおばちゃんたちと話しているところに、おいでって言われて行くと「この子が♪バイヤ・コン・ディオスって歌うの。歌ってごらん」って。