愛され続けたイ・ソンギュンさんの光と影(2)捜査情報はダダ漏れだった
麻薬使用についてAらに脅迫されたイ・ソンギュンさんは3億5000万ウオン(約3900万円)もの大金を奪い取られ、Aらを告訴している。それでも同情よりも失望の声のほうがはるかに多く、「自業自得」ともいわれた。
容疑はすべてAの供述に基づくものだったが、捜査過程でAの供述は二転三転している。複数回行われたイ・ソンギュンさんの体毛等の鑑定結果もすべて陰性だった。Aが供述していた時期に彼が麻薬を使用した事実はなく、彼女の供述が信憑性に欠けるものだったことは明らかだ。
同時期にやはり麻薬使用疑惑が浮上したK-POPグループBIGBANGのG-DRAGONも同様だ。Aの供述によりG-DRAGONもまた取り調べを受けたが、やはり鑑定結果はすべて陰性。Aの供述がデタラメだったことが明らかになり、G-DRAGONは嫌疑なしで捜査が終了している。
だが、警察がイ・ソンギュンさんに対して捜査の手をゆるめることはなく、むしろ反対だったと言っていい。その後のイ・ソンギュンさんへの3回目の取り調べは19時間にも及んでいる。しかも、そこではイメージを回復しがたい情報まで飛び出した。イ・ソンギュンさんが死を選んだのはその直後だ。 =つづく