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荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

<98>地下鉄に毎日乗って、毎日撮って…よく飽きないでやってるね

公開日: 更新日:

地下鉄(1)

 この写真はね、地下鉄の銀座線で撮った写真なんだよ。電通時代に、実家の(台東区)三ノ輪から通ってたんだけど、その銀座線の中でよく撮ってたんだねぇ。地下鉄に毎日乗って、毎日撮って、よく飽きないでやってるねって(笑)。おもしろいんだよね。

 その頃は、日にちとカメラとレンズもプリントを貼ったスケッチブックに書いてたんだよね。ミノルタSRなんとかとかね。そんでこの時期に、28ミリの広角で撮って、それから35ミリで撮って、そのうちに85ミリになるわけ。そうすると、状況というか、地下鉄の中の空気とか雰囲気とか、そういうんじゃなくて、もう顔に行け、というと85ミリの望遠でさ、撮ってたんだ。

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