診断まで10.3年 治らない腰痛は「強直性脊椎炎」だった

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 腰痛だと思っていたら「強直性脊椎炎(AS)」だった――。
 痛みがなかなかよくならない場合、疑った方がいいかもしれない。強直性脊椎炎とはどういう病気か?

 強直性脊椎炎は、脊椎の慢性炎症で脊椎が固まってしまう(強直する)病気だ。
 原因ははっきり分かっていない。ある種の遺伝的要因に細菌感染など何らかの誘因が加わって免疫異常が生じ、関節をつなぐ靭帯や腱などの骨の付着部分に炎症が生じると考えられている。

「最初の症状で多いのは、腰、股関節、骨盤の痛みです。強直性脊椎炎の患者を対象にした2014年の調査では、147の回答中9割が腰痛症、ぎっくり腰、座骨神経痛、ヘルニアなど別の疾患の診断を受けていました」と言うのは、自身も強直性脊椎炎を患っている順天堂大学医学部整形外科・スポーツ診療科の井上久医師(日本AS友の会事務局長)だ。

 同大学膠原病・リウマチ内科の多田久里守助教は「強直性脊椎炎の患者さんを診ると、<腰椎ヘルニアと診断されて手術を受けたが、一向によくならなかった>とおっしゃる方が結構います」と話す。

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