危ない脳梗塞を予防 画期的新薬の「うまみ」と「泣きどころ」

公開日: 更新日:

 そこで登場したのが、ダビガトランという新規抗凝固剤だ。2011年に、50年ぶりの画期的新薬として申請からわずか10カ月でスピード承認された。

「血液を固める重要な役割をするのがトロンビンという酵素の一種です。ダビガトランは、そのトロンビンの働きを邪魔することで、血液を固まりにくくし、血栓ができるのを防ぐのです。ワーファリンよりも管理がラクなうえ、その効果も心原性脳塞栓症の発症を7割近く減らすワーファリンを上回る成績を挙げることが大規模臨床試験で証明されていたのです」

■リスクを大幅抑制

 その後、リバロキサバン、アピキサバンという新薬が相次いで承認された。いずれも、トロンビンより上流に位置する血液凝固因子を阻害する薬で、より強力に血液を固まりにくくする薬だ。

「これらの新薬は脳血管で働く凝固因子をそれほど抑えないので、ワーファリンと違って脳内出血のリスクを大幅に抑制することもわかりました。値段が高いことを別にすれば理想の薬といえなくはありませんが、薬である以上問題はあります。新たな3つの血液凝固抑制剤はワーファリンのように肝臓や腎臓を障害することはありませんが、腎機能が中程度以上悪い人は新薬の血中濃度が高くなって強く効き過ぎる危険性があるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで